Excelの条件付き書式:ルールの使い方、数式で行全体に色を付ける方法

著者:Emma 公開日:2026年11月2日 約8分で読めます

条件付き書式:ルールでセルに色を付ける

条件付き書式は、セルの値に応じて塗りつぶしの色やフォント、罫線を変える機能です。値が変われば書式も自動で切り替わります。セルを選択し、「ホーム」タブ >「条件付き書式」からルールを選ぶだけで使えます。たとえば「セルの強調表示ルール」>「指定の値より大きい」です。

メニューのルールで足りるのは単純なケースです。別のセルの値で色を決めたいとき(期限切れの請求書の行全体に色を付けるなど)は、数式を使ったルールが必要です。後半で説明します。

この記事で使う表

請求書の管理表です。以下の結果はすべて、今日が2026年11月2日である前提です。

ABCDE
1請求書番号取引先金額(千円)支払期限状況
2INV-101山田商事1,2502026/10/15入金済
3INV-102佐藤工業3,4002026/10/28未入金
4INV-103鈴木デザイン8602026/11/05未入金
5INV-104高橋コンサルティング2,1002026/10/20未入金
6INV-105山田商事4,7502026/11/30未入金
7INV-106田中建設1,9802026/11/01入金済
8INV-107佐藤工業6202026/12/10未入金

用意されているルール

基準値より大きいセルに色を付ける

  1. C2:C8 を選択します。
  2. 「ホーム」>「条件付き書式」>「セルの強調表示ルール」>「指定の値より大きい」をクリックします。
  3. 左のボックスに 2000 と入力し、右のリストから書式を選んで「OK」をクリックします。

C3(3,400)、C5(2,100)、C6(4,750)に色が付きます。C7(1,980)はそのままです。同じサブメニューには「指定の値より小さい」「指定の範囲内」「指定の値に等しい」、特定の文字列を含むセル、日付(昨日、今週、先月など)、重複する値のルールもあります。

基準値はセルから取ることもできます。2000 と入力する代わりに G1 などのセルをクリックしておけば、G1 を変えるだけで色が付くセルも変わります。

上位の値と平均

「上位/下位ルール」では、上位・下位 N 件や、平均より上・下の値に色を付けられます。C2:C8 の場合:

  • 「上位 10 項目」でダイアログの数を 3 に変えると、C6、C3、C5 に色が付きます。
  • 「平均より上」:平均は 2,137.14(14,960 ÷ 7)なので、色が付くのは C3 と C6 だけです。C5(2,100)はわずかに平均を下回ります。

重複を見つける

B2:B8 を選択し、「セルの強調表示ルール」>「重複する値」をクリックします。山田商事(B2、B6)と佐藤工業(B3、B8)に色が付きます。請求書が複数ある取引先です。最初の1件も含め、すべての出現箇所に色が付きます。重複した行を見つけるだけでなく削除したい場合は、Excelで重複を削除する方法をご覧ください。

データ バー、カラー スケール、アイコン セット

この3つは特定のセルだけに色を付けるのではなく、範囲内のすべての値を互いに比べて表示します。

  • データ バー:値に比例した長さの棒をセル内に表示します。C2:C8 では、C6(4,750)の棒がセルいっぱいに伸び、C8(620)の棒はごく短くなります。表の中で見られる小さなグラフです。
  • カラー スケール:たとえば赤(最小値)から緑(最大値)へのグラデーションで塗り分けます。月別の数値表で、数字の弱い月をひと目で見つけるのに便利です。
  • アイコン セット:しきい値に応じて矢印や信号などのアイコンを表示します。既定ではパーセントで範囲を3等分します。「1,000 未満」「3,000 以上」のように具体的なしきい値にしたいときは、「ルールの管理」でルールを編集します。

数式を使ったルール:行全体に色を付ける

目的:支払期限を過ぎた請求書の行全体に色を付けます。

  1. A2 から始めて A2:E8 を選択します(選択範囲の中で白く残るアクティブセルが A2 になっている必要があります)。
  2. 「ホーム」>「条件付き書式」>「新しいルール」をクリックします。
  3. 「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選びます。
  4. 「次の数式を満たす場合に値を書式設定」に次のように入力します。
    =$D2<TODAY()
  5. 「書式」をクリックし、「塗りつぶし」タブで色を選んで、「OK」を2回クリックします。

2、3、5、7行目に色が付きます(期限が10/15、10/28、10/20、11/01で、いずれも2026/11/02より前)。

うまくいく理由:Excelは、アクティブセル(A2)に対して書かれた数式を、範囲内の各セルに合わせて、コピーしたときと同じように調整します。D の前の $ で列を固定しているので、A2 から E2 までのどのセルも D2 を調べます。行番号は固定していないので、5行目では数式が =$D5<TODAY() になります。

2つ目の条件を加える

2行目と7行目は入金済みなのに色が付いています。督促が必要な行だけに絞るには、AND で2つの条件を組み合わせます。

=AND($D2<TODAY(),$E2<>"入金済")

色が残るのは3行目(INV-102)と5行目(INV-104)だけです。

7日以内に期限が来る行

同じ範囲に、別の色(オレンジなど)で2つ目のルールを追加します。

=AND($D2>=TODAY(),$D2<=TODAY()+7,$E2<>"入金済")

4行目(INV-103、期限11/05)に色が付きます。INV-105(11/30)と INV-107(12/10)は7日より先なので対象外です。期限を何日、何か月過ぎているかを隣の列に表示したい場合は、DATEDIF関数で期限から今日までの期間を計算できます。

1行おきに色を付ける

長いリストを読みやすくするために1行おきに色を付けるなら、数式は =MOD(ROW(),2)=0 です。データをテーブルにしていれば(「ホーム」>「テーブルとして書式設定」)、ルールを作らなくても最初から縞模様になっています。

ルールの管理・編集・削除

すべてのルールは「ホーム」>「条件付き書式」>「ルールの管理」で確認できます。「条件付き書式ルールの管理」ダイアログが開きます。

  • 上部の「書式ルールの表示」で「このワークシート」を選ぶと、選択範囲だけでなくシート上のすべてのルールが表示されます。
  • 「適用先」の列に各ルールの範囲が表示されます。新しい行にもルールを広げたいときは、ここで範囲を直します(=$A$2:$E$8 を =$A$2:$E$200 に)。
  • ルールは上から順に適用されます。2つのルールが同じセルに別の色を付ける場合は、上にあるルールが優先されます。矢印ボタンで選択したルールの順番を変えられます。
  • 「条件を満たす場合は停止」:これにチェックを入れると、そのルールの条件を満たしたとき、下にあるルールは評価されません。

削除するには、「条件付き書式」>「ルールのクリア」から「選択したセルからルールをクリア」または「シート全体からルールをクリア」を選びます。1つのルールだけを消すときは、「条件付き書式ルールの管理」でそのルールを選び、「ルールの削除」をクリックします。

思いどおりに色が付かないとき

1列だけに色が付く、色が1行ずれる

ほとんどの場合、原因は $ です。=D2<TODAY() のように $ がないと、B2 は E2 を、C2 は F2 を調べてしまいます。もう1つの原因は、選択範囲が2行目から始まっているのに、1行目用の数式(=$D1)を書いた場合です。すべての色が1行ずれます。数式は必ず範囲の先頭行を基準に書きます。

空白の行に色が付く

Excelでは空白の日付セルは 0 とみなされるので、「今日より前」と判定されます。今後の請求書のために範囲を200行目まで広げている場合は、空白を除外します。

=AND($D2<>"",$D2<TODAY(),$E2<>"入金済")

文字列の条件で何も色が付かない

文字列は半角のダブルクォーテーションで囲み、セルの内容と完全に一致させる必要があります。"入金済" は「入金済み」や、後ろにスペースが入った「入金済 」とは一致しません。なお、英字の大文字と小文字は区別されません。

日付や数値が文字列として保存されている

文字列として取り込まれた日付(左揃えになっている)は、日付として比較されません。=ISNUMBER(D2) で確認し、FALSE なら先に変換が必要です。

こうしたルールは、Excelのダッシュボードで重要な指標を目立たせるのによく使われます。同じ数値を表の横にグラフで示したい場合は、Excelグラフの作り方をご覧ください。Microsoftの解説:条件付き書式を使用して情報を強調表示する。

Emma · ライター, Excel Zone

Emmaは数式とデータ整理のチュートリアルを担当しています。COUNTIF、SUMIF、DATEDIF、重複の削除、ドロップダウンリストなどです。どの方法も、そのまま書き写せる小さな表で説明します。