Excel初心者の勉強法:何から覚えるかを7ステップで解説

著者:Mohamed 公開日:2026年11月2日 約10分で読めます

Excelの勉強法:初心者のための7ステップ

Excelをゼロから覚えるなら、次の順番で進めます。画面の見方とデータ入力、簡単な数式とセル参照、並べ替えとフィルター、条件付きの関数(IF、COUNTIF、SUMIF)、VLOOKUPによる検索、データの整理、最後にグラフとピボットテーブルです。各ステップは前のステップを土台にしています。たとえばセル参照を飛ばすと、そのあとでコピーする数式がどれも理解しにくくなります。

この学習プランでは、最初から最後まで1つの練習用シートを使います。ステップ1でシートを作り、以降のステップごとに練習問題を追加していきます。必要なのはExcelだけです。デスクトップ版でも、Microsoft アカウントがあれば無料で使える Web 用 Excel でもかまいません。

どれくらいの時間をかけるか

おすすめは、1日20〜30分、1週間に1ステップのペースです。この場合、全体でおよそ7週間かかります。本や動画を見るだけでなく、実際にExcelを操作する短い時間を毎日続けるほうが、月に1回まとめて1日勉強するより身につきます。説明を見ずに練習問題をもう一度解けたら、そのステップは完了です。

ステップ1:画面の見方とデータ入力

このステップでできるようになること:

  • ブック(ファイル)とワークシート(画面下のシート見出し)の違いがわかる
  • セルを列と行で指定できる(B3 はB列の3行目)
  • リボン(ホーム、挿入、データ…)と、選択したセルの本当の中身を表示する数式バーを読める
  • フィル ハンドル(選択したセルの右下にある小さな四角)で値や数式を下へコピーできる
  • 「ホーム」タブで表示形式(通貨、日付)を設定できる

練習問題:空のシートに、小さな文房具店の売上表を入力します。E列の表示形式を「通貨」にします。このシートを以降のすべてのステップで使います。

ABCDE
1日付担当者店舗商品金額
22026/3/3佐藤東京ノート¥1,250
32026/3/3鈴木大阪ボールペン¥400
42026/3/4佐藤大阪手帳¥1,800
52026/3/5高橋東京ノート¥1,250
62026/3/5鈴木東京手帳¥1,800
72026/3/6佐藤東京ボールペン¥400
82026/3/7高橋大阪ノート¥1,250
92026/3/7鈴木大阪ボールペン¥400

確認のポイント:Excelが日付として認識した値は、数値と同じく右揃えになります。左に寄っている場合は文字列として保存されています。

ステップ2:簡単な数式とセル参照

数式は必ず = で始めます。セル同士を足す(=E2+E3)ことも、関数を使うこともできます。最初に覚える関数は SUM と AVERAGE の2つです。「ホーム」タブの「オート SUM」ボタンを押すと、SUM の数式を自動で入力してくれます。

次に、初心者が最もつまずきやすいポイントです。数式を下へコピーすると、参照先がずれていきます(E2 が E3、E4 と変わる)。これを相対参照といいます。参照先を固定したいときは $ を付けます。$I$1 は絶対参照です。Windows では、カーソルがある参照で F4 キーを押すと $ が付きます。

練習問題

  1. I3 に合計を求めます。=SUM(E2:E9) の結果は ¥8,550 です。
  2. I4 に1件あたりの平均を求めます。=AVERAGE(E2:E9) の結果は 1068.75 で、通貨の表示形式では ¥1,069 と表示されます。
  3. I1 に 10%(手数料率)、F1 に「手数料」と入力します。F2 に =E2*$I$1 と入力し、F9 までコピーします。F2 は ¥125、F3 は ¥40 になります。

3 を $ なしの =E2*I1 でやり直してみてください。F3 以降の結果がおかしくなります(F3 は 0)。コピーした数式が I1 の手数料率ではなく、I2、I3…を参照してしまうためです。この間違いを一度自分で見ておくと、説明を何度も読むより確実に覚えられます。

ステップ3:表の整理、並べ替え、フィルター

A1:F9 を選択し、「挿入」タブ →「テーブル」をクリックします。範囲がテーブルに変わり、見出しにフィルターボタンが付きます。すぐ下の行に入力したデータも自動でテーブルに含まれます。「データ」タブの「並べ替え」と「フィルター」は、テーブルにしていない普通の範囲でも使えます。

練習問題

  1. 「店舗」列を「東京」で絞り込みます。残るのは 4行 です。
  2. フィルターを解除し、「金額」で大きい順に並べ替えます。¥1,800 の手帳2件が一番上に来ます。

このステップのトラブルの多くは、2つの習慣で防げます。見出し行は1行だけにしてセルを結合しないこと、データの途中に空白行を入れないことです。空白行があると、Excelが並べ替えやフィルターの対象として認識する範囲がそこで切れてしまいます。また、結合セルがあると並べ替えができないことがよくあります。

ステップ4:条件付きの関数(IF、COUNTIF、SUMIF)

ここからExcelで作業時間が短くなっていきます。条件に合う行を目で探すのではなく、関数で数えたり合計したりします。

  • IF:条件が正しければある値を、正しくなければ別の値を返します。
  • COUNTIF:1つの条件に合うセルの数を数えます。
  • SUMIF:1つの条件に合う行の金額を合計します。
  • COUNTIFS:複数の条件を同時に満たすセルの数を数えます。

練習問題

  1. G1 に「1000円以上」と入力し(テーブルが自動で広がります)、G2 に =IF(E2>=1000,"はい","いいえ") と入力します。Excelが自動でコピーしなかった場合は G9 までコピーします。G2 は「はい」、G3 は「いいえ」になり、全体では「はい」が5件、「いいえ」が3件です。
  2. 東京店の売上件数:=COUNTIF(C2:C9,"東京") の結果は 4 です。
  3. 佐藤さんの売上合計:=SUMIF(B2:B9,"佐藤",E2:E9) の結果は ¥3,450(1,250 + 1,800 + 400)です。
  4. 鈴木さんの大阪店での売上件数:=COUNTIFS(B2:B9,"鈴木",C2:C9,"大阪") の結果は 2 です。

各関数をさらに詳しく知りたい場合は、COUNTIFの使い方と例、SUMIFの使い方、COUNTIFSで複数条件を指定する方法を参照してください。結果が出るはずなのに 0 になる場合は、COUNTIFSがうまくいかない原因を確認しましょう。

ステップ5:別の表から値を探す(VLOOKUP)

VLOOKUP は、検索する値をもとに別の表から情報を取り出す関数です。商品名から価格を、社員番号から所属部署を取り出す、といった使い方をします。

練習問題:売上表の横に、小さな価格表を作ります。

KL
1商品価格
2ノート¥1,250
3ボールペン¥400
4手帳¥1,800

=VLOOKUP("手帳",K2:L4,2,FALSE) の結果は ¥1,800 です。2 は範囲 K2:L4 の2列目、FALSE は完全一致で探す指定です。次に "手帳" を D2 に置き換えて下へコピーすると、各売上の商品の価格が表示されます(範囲にはステップ2の $ を付けて $K$2:$L$4 にします)。

#N/A エラーの原因も含めた詳しい手順は、VLOOKUPの使い方をわかりやすく解説にまとめています。Microsoft 365 と Excel 2021 以降では、XLOOKUP を使うと同じ処理を少ない制約で行えます。

ステップ6:データを正しく保つ

数式の結果は、元のデータが正しくなければ意味がありません。入力ミスを防いだり、受け取ったファイルを整えたりするために、次の3つの機能を覚えます。

練習問題

  1. N2:N4 に佐藤、鈴木、高橋と入力します。B2:B9 を選択して「データ」タブ →「データの入力規則」を開き、「入力値の種類」で「リスト」を選び、「元の値」に =$N$2:$N$4 と指定します。B3 に「田中」と入力してみると、Excelが入力を受け付けません。
  2. 9行目の売上(A9:G9)をコピーし、10行目と11行目に貼り付けます。テーブル内をクリックして「データ」タブ →「重複の削除」を選び、すべての列にチェックを入れたまま実行します。コピーした2件が削除され、売上は8件に戻ります。I3 の合計は E2:E9 だけが対象なので、一度も変わっていません。

ステップ7:グラフとピボットテーブルで集計する

ピボットテーブルを使うと、数百行のデータも数式を書かずに数回のクリックで集計できます。整ったデータを用意できるようになった今が、覚えるのにちょうどよいタイミングです。ピボットテーブルに必要なのは、まさにそうしたデータだからです。

練習問題

  1. 売上表のどこかをクリックし、「挿入」タブ →「ピボットテーブル」を選びます。「担当者」を「行」に、「金額」を「値」に配置します。佐藤 ¥3,450、鈴木 ¥2,600、高橋 ¥2,500、総計 ¥8,550 になれば正解です。総計がステップ2の合計と一致することが確認になります。
  2. 集計結果を選択し、「挿入」タブ →「おすすめグラフ」で集合縦棒グラフを選びます。折れ線グラフや円グラフとの使い分けはExcelでグラフを作る方法で解説しています。

ピボットテーブルの佐藤さんの金額は、ステップ4の SUMIF の結果と同じです。同じ数字を2つの方法で確かめる習慣をつけておくと、ミスに気づきやすくなります。日付を月ごとにまとめる、割合で表示する、行を追加したあとに更新するといった操作は、ピボットテーブルの作り方で順に説明しています。

初心者がつまずきやすい間違い

  • 合計を手入力する:数式を使わないと、行の値が変わっても合計が更新されません。
  • 文字列として保存された数値:Webページや別のソフトから貼り付けたときによく起こります。左揃えになり、SUM の計算から外れます。
  • データの表でセルを結合する:並べ替えやフィルターが正しく動かなくなります。
  • 1つのシートに複数の表をくっつけて置く:表と表の間には少なくとも1列の空白列を入れるか、表ごとにシートを分けましょう。
  • セル参照より先に高度な関数を覚えようとする:ステップ2を飛ばすと、数式をコピーするたびにミスが起こります。

学習プランのあとは:仕事に必要なものから

7つのステップが身についたら、一般的な関数一覧を順に覚えるのではなく、実際の業務で使う関数から学びましょう。

  • 年齢、勤続年数、2つの日付の間の期間(人事、総務):DATEDIF 関数
  • 重み付きの成績や平均仕入れ単価:加重平均
  • 測定値のばらつき:標準偏差

テーマ別のすべての解説は、Excelの基本とExcelの関数・数式のカテゴリにあります。

無料の学習リソースと有料講座

無料で使える公式の情報源は、Microsoft の Excel のヘルプとラーニング(日本語)です。基本操作、数式と関数、ピボットテーブルなどがテーマ別にまとまっています。メニューや関数の正確な説明を確認したいときに、この学習プランと合わせて使うと便利です。

会社が費用を負担してくれる場合や、講師に質問しながら学びたい場合は、有料の講座も選択肢になります。申し込む前に、少なくともこの学習プランのステップ2〜7が練習問題付きで含まれているかを確認しましょう。

Mohamed · ライター, Excel Zone

Mohamedはデータの検索と分析のガイドを担当しています。VLOOKUP、COUNTIFS、ピボットテーブル、ダッシュボードのほか、初心者向けの入門コースも書いています。