ピボットテーブルの作り方:売上表から集計表を作る手順

ピボットテーブルは、数式を書かずに表を集計する機能です。担当者別、支店別、月別の売上などを、フィールドをドラッグするだけで作れます。作り方は、データ内のセルをクリックして[挿入]>[ピボットテーブル]を選び、[OK]をクリックします。右側に開く作業ウィンドウで、文字列のフィールド(担当者)を[行]エリアに、数値のフィールド(金額)を[値]エリアにドラッグすると、担当者ごとの合計が表示されます。
ピボットテーブルを操作しても元のデータは変わりません。フィールドは何度でも入れ替えられるので、同じデータをいろいろな切り口で確認できます。
例として使うデータ
以下の結果はすべて、データという名前のシートに入力した2026年1~3月の売上表をもとにしています。
| A | B | C | D | E | F | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 日付 | 担当者 | 支店 | 商品 | 数量 | 金額 |
| 2 | 2026/01/05 | 佐藤 | 東京 | モニター | 4 | 72,000 |
| 3 | 2026/01/09 | 鈴木 | 大阪 | プリンター | 2 | 50,000 |
| 4 | 2026/01/14 | 高橋 | 東京 | キーボード | 15 | 60,000 |
| 5 | 2026/01/21 | 佐藤 | 大阪 | プリンター | 3 | 75,000 |
| 6 | 2026/01/28 | 鈴木 | 東京 | モニター | 5 | 90,000 |
| 7 | 2026/02/03 | 高橋 | 大阪 | モニター | 2 | 36,000 |
| 8 | 2026/02/10 | 佐藤 | 東京 | キーボード | 20 | 80,000 |
| 9 | 2026/02/17 | 鈴木 | 大阪 | キーボード | 10 | 40,000 |
| 10 | 2026/02/24 | 高橋 | 東京 | プリンター | 4 | 100,000 |
| 11 | 2026/03/03 | 佐藤 | 大阪 | モニター | 6 | 108,000 |
| 12 | 2026/03/10 | 鈴木 | 東京 | プリンター | 1 | 25,000 |
| 13 | 2026/03/17 | 高橋 | 大阪 | キーボード | 12 | 48,000 |
| 14 | 2026/03/24 | 佐藤 | 東京 | プリンター | 2 | 50,000 |
| 15 | 2026/03/31 | 鈴木 | 大阪 | モニター | 3 | 54,000 |
金額の単位は円です。売上合計は888,000円、データは14行です。
元データを整える
ピボットテーブルを問題なく作るには、元の表が次の3つの条件を満たしている必要があります。
- 見出しは1行だけにし、すべての列に見出しを付けます。見出しのない列があるとピボットテーブルを作成できません。
- 途中に空白の行や列を入れない:Excelは範囲を自動で判定するとき、最初の空白行で止まります。
- 1つの列には1種類のデータ:日付の列には日付、数量と金額の列には数値(文字列ではなく)を入れ、小計の行をはさまないようにします。
次に、表を「テーブル」に変換します。データ内をクリックして[挿入]>[テーブル]を選び、[先頭行をテーブルの見出しとして使用する]にチェックが入っていることを確認して[OK]をクリックします。[テーブルデザイン]タブの[テーブル名]で、既定の名前(テーブル1)を売上に変えておきます。こうすると、あとでテーブルの下に追加した行も、次に更新したときにピボットテーブルへ自動で反映されます。範囲を指定し直す必要はありません。
ピボットテーブルを作成する
- テーブル「売上」の中のセルをどれか1つクリックします(全体を選択する必要はありません)。
- [挿入]タブの[テーブル]グループで[ピボットテーブル]をクリックします。Microsoft 365でメニューが開いた場合は、[テーブルまたは範囲から]を選びます。
- 表示された範囲を確認します(
売上、テーブルにしていない場合はデータ!$A$1:$F$15)。 - 配置先は[新規ワークシート]のまま[OK]をクリックします。
新しいシートのセルA3から空のピボットテーブルが作られ、右側に[ピボットテーブルのフィールド]作業ウィンドウが開きます。上部には列見出しがフィールドとして並び、下部にはフィールドを置く4つのエリアがあります。
| エリア | 働き | 例 |
|---|---|---|
| 行 | フィールドの値ごとに1行ずつ並べる | 担当者:佐藤、鈴木、高橋 |
| 列 | 値ごとに1列ずつ並べる | 支店:大阪、東京 |
| 値 | 各セルに表示する集計(合計、個数、平均など) | 金額 |
| フィルター | ピボットテーブルの上に絞り込み用のリストを置く | 商品:モニター |
作業ウィンドウが消えたときは、ピボットテーブル内をクリックすると再表示されます。表示されない場合は[ピボットテーブル分析]>[フィールドリスト]をクリックします。
担当者別の売上を集計する
フィールドの一覧で担当者にチェックを入れ(文字列のフィールドは[行]に入ります)、続けて金額にチェックを入れます(数値のフィールドは[値]に入ります)。結果は次のとおりです。
| A | B | |
|---|---|---|
| 3 | 行ラベル | 合計 / 金額 |
| 4 | 佐藤 | 385000 |
| 5 | 鈴木 | 259000 |
| 6 | 高橋 | 244000 |
| 7 | 総計 | 888000 |
担当者は並べ替えられ、最後に総計の行が追加されます。元データの書式は引き継がれないため、金額に桁区切りのカンマが付きません。直し方は後述の「表示形式」を参照してください。
2つのフィールドでクロス集計する
支店を[列]エリアにドラッグすると、担当者×支店のクロス集計表になります。
| A | B | C | D | |
|---|---|---|---|---|
| 3 | 合計 / 金額 | 列ラベル | ||
| 4 | 行ラベル | 大阪 | 東京 | 総計 |
| 5 | 佐藤 | 183000 | 202000 | 385000 |
| 6 | 鈴木 | 144000 | 115000 | 259000 |
| 7 | 高橋 | 84000 | 160000 | 244000 |
| 8 | 総計 | 411000 | 477000 | 888000 |
佐藤さんは東京で202,000円、大阪で183,000円を売り上げています。行の総計と列の総計は一致します(411,000 + 477,000 = 385,000 + 259,000 + 244,000 = 888,000)。行と列を入れ替えたいときは、フィールドを別のエリアにドラッグするだけです。
同じ数値はSUMIF関数やSUMIFS関数でも求められますが、6つの数式を入力してコピーする必要があります。ピボットテーブルなら一度の操作で集計でき、数式を書き直さずにレイアウトを変えられます。
[フィルター]エリアで絞り込む
支店を[列]エリアから作業ウィンドウの外へドラッグして外し、商品を[フィルター]エリアに置きます。A1:B1に絞り込み用のリストが表示されるので、開いてモニターを選び、[OK]をクリックします。
| A | B | |
|---|---|---|
| 1 | 商品 | モニター |
| 2 | ||
| 3 | 行ラベル | 合計 / 金額 |
| 4 | 佐藤 | 180000 |
| 5 | 鈴木 | 144000 |
| 6 | 高橋 | 36000 |
| 7 | 総計 | 360000 |
モニターの売上だけが合計されます。複数の商品を選ぶときは、リストで[複数のアイテムを選択]にチェックを入れます。[行ラベル]の横の矢印からは、担当者そのものの絞り込みや並べ替えができます。
集計方法を変える:個数・平均・比率
合計を個数や平均に変える
- ピボットテーブルの金額を右クリックし、[値フィールドの設定]を選びます。
- [集計方法]タブで[個数](または[平均]、[最大]、[最小]など)を選びます。
- [OK]をクリックします。
[個数]にすると、金額を合計する代わりに売上の件数を数えます。
| A | B | |
|---|---|---|
| 3 | 行ラベル | 個数 / 金額 |
| 4 | 佐藤 | 5 |
| 5 | 鈴木 | 5 |
| 6 | 高橋 | 4 |
| 7 | 総計 | 14 |
[平均]にすると、佐藤さんは77,000(385,000 ÷ 5)、総計は63,428.57(888,000 ÷ 14)になります。
総計に対する比率を表示する
集計方法を[合計]に戻し、もう一度[値フィールドの設定]を開きます。[計算の種類]タブで[総計に対する比率]を選びます。
| A | B | |
|---|---|---|
| 3 | 行ラベル | 合計 / 金額 |
| 4 | 佐藤 | 43.36% |
| 5 | 鈴木 | 29.17% |
| 6 | 高橋 | 27.48% |
| 7 | 総計 | 100.00% |
佐藤さんの売上は全体の43.36%です(385,000 ÷ 888,000)。担当者を行、支店を列に置いたクロス集計では、行集計に対する比率を選ぶと各担当者の東京・大阪の内訳が、列集計に対する比率を選ぶと各支店の中での担当者の割合が表示されます。
表示形式
[値フィールドの設定]の[表示形式]ボタンをクリックすると、おなじみのセルの書式設定画面が開きます。たとえば[数値]で小数点以下の桁数を0にし、桁区切りを付けます。この設定はフィールド全体に適用され、更新しても消えません。ピボットテーブルのセルに直接書式を設定した場合とはここが違います。
日付を月単位でグループ化する
担当者をピボットテーブルから外し、日付を[行]エリアにドラッグします。バージョンによっては自動で月ごとにまとめられ、そうでなければ1日1行(14行)で表示されます。後者の場合は次のように操作します。
- ピボットテーブル内の日付を右クリックし、[グループ化]を選びます。
- [単位]の一覧で[月]を選びます。データが複数年にわたる場合は[年]も選びます。選ばないと2025年1月と2026年1月が合算されます。
- [OK]をクリックします。
| A | B | |
|---|---|---|
| 3 | 行ラベル | 合計 / 金額 |
| 4 | 1月 | 347000 |
| 5 | 2月 | 256000 |
| 6 | 3月 | 285000 |
| 7 | 総計 | 888000 |
同じ操作で、数値を一定の幅(数量0~9、10~19など)でまとめることもできます。元の日付に戻すには、右クリックして[グループ解除]を選びます。
データを変更したら更新する
ピボットテーブルは自動では再計算されません。「データ」シートの金額を直したり、売上を追加したりしても、更新するまで結果は変わりません。
- ピボットテーブル内で右クリックして[更新]、またはAlt + F5
- ブック内のすべてのピボットテーブルを更新するには[データ]>[すべて更新]、またはCtrl + Alt + F5
例:16行目に「2026/04/07、高橋、東京、モニター、3、54,000」を追加したとします。元データがテーブル「売上」なので範囲は自動で広がり、更新すると高橋さんは244,000から298,000に、総計は888,000から942,000になります。元データが固定の範囲($A$1:$F$15)だと、追加した行は無視されます。[ピボットテーブル分析]>[データソースの変更]で範囲を直すか、表をテーブルに変換してください。
集計値の内訳を確認する
ピボットテーブルの値、たとえば佐藤さんの大阪の183000をダブルクリックすると、その合計のもとになった行だけを抜き出した新しいシートが作られます(この例では、プリンター75,000円とモニター108,000円の2件)。気になる数値を確かめるにはこれがいちばん早い方法です。新しいシートはコピーなので、編集しても元データやピボットテーブルには影響しません。
グラフやダッシュボードにつなげる
ピボットテーブルができたら、[ピボットテーブル分析]>[ピボットグラフ]で、同じフィールドとフィルターに連動するグラフを作れます。グラフの種類の選び方や書式設定はExcelでのグラフの作り方を参照してください。複数のピボットテーブル、グラフ、スライサーを1ページにまとめる方法は、同じデータを使ったExcelダッシュボードの作り方で説明しています。
よくあるエラーと対処法
「ピボットテーブルのフィールド名が正しくありません」と表示される
元データに見出しのない列があるか、選択範囲が見出し行より下から始まっています。すべての列に見出しを付けるか空の列を削除してから、もう一度作成します。
「合計 / 金額」ではなく「個数 / 金額」になる
金額の列に空白セルや文字列(文字列として取り込まれた数値、ハイフン、「なし」など)があると、Excelは個数を選びます。元データを直してから、[値フィールドの設定]で集計方法を変えます。数値が文字列として保存されている場合は、集計方法を変えても合計が正しくならないので、先に数値に変換してください。
同じ担当者が2行に分かれる
見た目ではわからない違いがあります。多いのは末尾のスペースです(「佐藤」と、後ろにスペースが付いた「佐藤」)。ピボットテーブルはこれを別の値として扱います。=TRIM(B2)や置換でスペースを取り除いてから更新します。
日付をグループ化できない
日付の列に、本当の日付ではないセルが少なくとも1つあります。左揃えになっている「2026/01/05」のような文字列や、固定範囲の中の空白セルです。これらを直して更新し、もう一度グループ化します。
追加した行が表示されない
ピボットテーブルを更新していないか、元データが新しい行の手前で終わる固定範囲になっています。「データを変更したら更新する」の節を参照してください。


